
晩秋を迎え、ここ信州の地にも紅葉の美しい季節が巡ってきました。特に信州大学農学部の正門から校舎へ続く道には、見上げるほど壮麗なユリノキの並木道があり、今、鮮やかな黄色に染まりきっています。この並木は、約200から250メートルにわたり道路の両脇におよそ50本が立ち並び、古い木は樹齢70年近くにもなる堂々とした姿が特徴です。モクレン科のユリノキは、その半纏(はんてん)のようなユニークな形の大きな葉が一斉に鮮烈な黄金色へと色づき、並木道全体がまるで「黄金色のトンネル」のような、息をのむ美しさとなります。
この景観を「見上げるような黄色の紅葉」として切り絵に残したいと考え、あえて黒い紙ではなく、初めに黄色の紙を切り進めるという方法で制作してみました。いつもの切り絵とは違う、視界いっぱいに広がる黄金色の輝きを表現できればと思って製作しました。


