
ミヤマシジミとそれを守っている地元の人たちの温かい気持ちを描き出したいと伊那谷のミヤマシジミの切り絵を作りました。
作品の中央には、ミヤマシジミの幼虫が食べる、大好物のコマツナギがたくさん茂っています。その周りを、きらめく蝶たちが楽しそうに飛び回っている絵にしたいと思いました。
このミヤマシジミは、実は絶滅しそうな「超」貴重な蝶です。昔はどこにでもいた里山の環境が変わってしまい、住む場所が少なくなってしまいました。
地域の皆さんは「この宝物を絶やしちゃいけない!」と立ち上がりました。伊那市や辰野町、南箕輪村をはじめ、地域のみんながチームになって、蝶の命綱であるコマツナギを守ったり、植えたりしています。飯島町ではミヤマシジミを「町の蝶」に指定しました。「絶対に守るぞ!」という強い愛情を感じます。
切り絵の中で、二人の子どもたちが、その様子をじーっと見つめています。これは、この小さな命を、未来の子どもたちにもずっと見せてあげたい、という伊那谷に住む人たちの、やさしくて大きな願いを込めました。この絵から、守り育てる人の温かい思いも伝わったら、とても嬉しく思います。
