中央アルプスに雪形が現れたらそろそろ田植えの季節と言われてきました。そんなアルプスと伊那谷の河岸段丘の雄大な景色をバックに、中川村の飯沼地区にある棚田で田植えが行われます。




棚田の田植え
……中川村 飯沼の棚田……
眼下の天竜川に向けて何枚もの田んぼが重なり合う飯沼の棚田。水鏡に青空が映る光景はこの時期にのみ見ることができます。その棚田で田植えが始まりました。
棚田の向こうには中央アルプスと天竜川の河岸段丘が作る雄大な自然が広がり、伊那谷を象徴するすばらしいロケーションです。山間地の急傾斜地にある飯沼地区では古くから多くの棚田で大切なお米を栽培していましたが、労力がかかる棚田を耕す人はここ飯沼でも減ってきていました。しかし、棚田の荒廃を防ぎ美しい景観の維持と地域の活性化を図ろうと、地域と地元の酒蔵が手を組んで棚田の風景を守る活動を進めています。
田んぼの土手に腰を下ろすと後ろには山と森があり、そこから湧き出る小川があぜを通って田んぼに水を注いでいます。また、耳を澄ますとカエルや鳥の声、風にゆれる草の音も聞こえてきます。生き物にとっても絶好の場所なのでしょう。棚田を囲む石垣や民家の風情もあいまって、ここはまさに日本の原風景です。
山にある棚田は夏の昼夜の寒暖差が大きく栄養を含んだ水が流れていることもあり、作られるお米は格別においしいとのことです。酒蔵の社長さんをはじめ関係者総出で田植えに取り組む姿を目の当たりにして、今年もおいしい酒米美山錦が順調に成育することを願うばかりです。ここで収穫したお米で作られる日本酒を今年も是非味わってみたくなりました。