毎年この時期は、恒例の切り絵講座で4〜6か所を巡る多忙な日々を送っています。しかし、受講生の皆さんが作品を完成させた時の、あの心からの嬉しそうな笑顔を見ると、疲れも吹き飛び、講師として大きな感謝と新たなやる気をいただいています。
特にこの季節らしい「干支の切り絵」は、受講生の皆さんが最も熱中するテーマの一つです。切り抜かれた黒い干支のモチーフの背後に、どのような色紙を選び、貼り付けるか。この色選びの工程こそが、作品に個性と深みを与える瞬間です。同じ型紙を使っても、選ぶ色によって動物の表情が全く異なり、その多様性に皆さん夢中になります。
「うーん、この青にするか、それともこの赤で元気な感じにするか…」と、悩みながらも楽しそうに色紙を合わせ、貼り上げていく作業は、まさに創造の喜びそのもの。完成した時の、達成感に満ちた皆さんの満足げな表情は、何物にも代えがたいものです。
帰り際には、「お正月が一歩早くやってきたみたい!」「家に帰って早速玄関に飾るわ」「これを写真に撮って年賀状に使うんだ」といった、弾むような会話が聞こえてきます。皆さんが嬉しそうに作品を抱えて帰る姿を見送るたびに、「今年もやってよかった」と心から感じています。この喜びの循環こそが、私の原動力です。


