
「箕輪町の赤そばの里」は、林の中の小道を歩いて坂道を上りきると、山の麓に突然開ける広い畑です。そこには赤蕎麦が一面に広がり、まるで赤い絨毯のようです。何回か訪れてそんな景色を目の当たりにしていたので、今年の秋には箕輪町の赤そばの里の切り絵を作ってみたいと思っていました。
昨年はコロナ禍で蕎麦は栽培されなかったと聞き、今年はどうだろうかと心配していました。それでも取材をかねて8月に訪ねてみたところ、蕎麦の姿は見えませんでしたが、畑がきれいに耕されていました。静かな山間の畑に吹く風もさわやかで、しばらく暑さを忘れさせてくれました。

9月はじめにもう一度訪ねました。蕎麦が生き生きと育っていて、今年は赤そばの絨毯を見ることができるぞと嬉しくなりました。畑を下から見上げていたのですが、天気が良かったので気分よく畑の上まで上って見下ろすと、広い畑の向こうに伊那谷の街並みや遠く南アルプスの山並も見渡せる風景に思わず見入ってしまいました。こんな感じを何とか絵にしたいと思って、家に戻ってから作品を制作し始めました。蕎麦の花の表現、山々を見渡せる構図など様々に試行錯誤しながら制作していきました。そのころ新聞やテレビニュース等にも箕輪町の赤そばが咲き始めた話題などが載りはじめました。何とか作品が出来上がりました。




