10月の初め、東京に行って牛込柳町の駅から道路に降り立つとキンモク
セイの香りがしてきてました。普段は気づかなかったのですが、東京にはけっこうあちこちにキンモクセイの木があって、秋になってきたんだと季節を感じることができました。
しばらくして伊那に戻って、周りを見ると東京より少し遅いのですがキンモクセイが開き始めていました。そんな思いを切り絵にしようと思い立って、作り始めたのですが、やっと昨日仕上がりました。
しかし、キンモクセイの咲いている期間は一週間ほど、仕上がった頃にはもうキンモクセイの花も香りもなくなっていました。

キンモクセイ
「先生 キンモクセイっていい香りがするんだよね」
「しょう君、よく知ってるなあ」
「うん、お姉ちゃんに教わったの。昨日帰る時お姉ちゃんと一緒になったんだ。途中でお姉ちゃんは急に止まって上を見て『しょう、いい香りでしょう』って言うから、上を見たらブロック塀の上に猫が座っていたんだよ。『猫しかいないよ』って言ったら『違うよ。こっちのオレンジ花。キンモクセイっていうんだよ』って言うんだ。確かにその木の方から甘いいい臭いがしてくるし、お姉ちゃんなんか『この花好きだなあ。しょう、もっと喜びなよ。これから毎日この匂い嗅いで学校いけるよ」なんて言うんだよ」
「先生もキンモクセイ好きだなあ。秋が来た感じがして。お姉さんが言うようにしょう君も毎日嗅いで来られるね」
「でも、僕は猫の方が気になってさ。今朝来る時見たら、キンモクセイは咲いてたけど猫はいなかったんだよ」
