箕輪町木下の旧道を通ると、ひときわ大きなケヤキの樹が目に飛び込んできます。そこが南宮神社です。ここは木下地区だけでなく、箕輪町全域とさらには伊那市西箕輪や福島地区の鎮守にもなる格式の高い神社です。 一月初旬には祈年祭(としごいのまつり)が行われます。祈年祭はその年の五穀豊穣を祈るお祭りで、ここ南宮神社には屋台が出たり町の無形民俗文化財の山車飾りも展示されたりと、これも楽しみの一つとなっています。 お祭りに屋台が出ると、子どもの頃は待ち遠しくてたまらなかったものです。新春の冷気感じる宵闇に境内が薄明るく照らし出されるこの祭りの雰囲気は、大人にとっても心惹かれるものがあります。 ここでは今年の吉凶を占う「御筒粥神事」が行われ、今年の世相やさまざまな農作物と気候を含めた計三十七項目を占います。項目と同じ本数のヨシを麻のひもで結び付け、米五合と小豆三合を大釜で一緒に二時間余り炊いた後、ヨシを一本ずつ割って米や小豆の入り具合で占います。大釜からヨシを取り上げて結果が出るまでの間は、神殿で神楽が奉納されます。 大釜の湯気の向こうで舞われる神楽は、霊験あらたかな気持ちにさせてくれます。良い年となることを願いながら、今年の吉凶はどう出るのかを待ちたいものです。 続きを読む: 2024.1南宮神社御筒粥神事