タンポポの綿毛 「あっ、綿毛」 男の子がタンポポの綿毛を見つけると、ふーっと息を吹きかけました。綿毛はふわりと飛び立ちました。それを見ていたまわりの子どもたちも、次々と綿毛のついたタンポポを摘んで飛ばし始めました。沢山採って一気に吹いたり、友達同士吹きかけあったり………。 「ああっ、もう少し」 「もっと、ふーって勢いよく」 見ると何人かの子が、一回の息ですべての綿毛を飛ばせるかを競っています。 「わかった、見てて」 息を胸一杯に吸い込んで、ふーーーーっ。 「やった」 綿毛が舞い上がりました。調度吹いてきた風に乗ったのでしょうか。青空に吸い込まれていくようです。 「○○ちゃんの吹いた種、どこまで行くのかな」 「遠くまで行ってほしいね」 しばらくその行方を追っている子ども達です。きっと、空を飛んで辿り着いたところに芽吹いて花を咲かせるのでしょう。そう言えば、一回ですべての綿毛を吹き飛ばすことが出来たら、願いがかなうという占いもあるそうです。 続きを読む: IMG_6603