樹氷 「今度はゴンドラリフトに乗って一番上まで行くよ」 「わーい」 朝からのスキー教室で上手になったので、コーチからのご褒美なのでしょう。一番上まで行くことになり、子ども達は歓声を上げています。私も一番後ろから付いていきました。途中で降りずにゲレンデを眼下に見下ろすような一番上まで上がっていきました。 「さあ、ついておいで」 コーチの声と共に林間コースを子ども達は列になって喜んで滑っていきました。 「あれ、○○さんと△△さんかな。どうしたんだろう」 コースの途中で二人の子が立ち止まっています。 「どうしたの?」 近くまで滑っていって声をかけました。 「先生、見て上を。すごい綺麗だよ」 青空から降り注ぐ光を受けて、雪をかぶった樹氷がきらきらと輝いていました。思わずため息が出るほどの美しさです。 「本当だ、これを見て立ち止まっちゃったのか」 「うん、そうなの」 もう一度その美しさを見ようと上を見上げると、 『ゴツーン』 「じゃあね、先生」 雪玉を投げつけて、二人が逃げていきました。 「こらー」 続きを読む: IMG_6503